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技術情報

■技術概要

ボーリング孔内に小型のテレビカメラを挿入し孔内の状態を直接観察する技術です。

映し出された画像から地層や亀裂の走向傾斜、亀裂面の開口幅などを調べることができます。
ボーリング孔壁の曲面を展開画像に変換することも可能です。井戸の保守点検や、空洞調査などにも応用可能です。

・技術の目的

ダムの不連続面の観測・評価、トンネル及び斜面安定における岩盤の緩み状態の確認、地下空洞調査、既設構造物の点検等である。
この内、斜面安定を対象にした場合の主な目的は以下のとおりである。

  1. ボーリングコアの亀裂が地下でどの様な状態にあるのか直接観察する。
  2. 地層境界、割れ目、断層等の方向性(走向・傾斜)を計測する。
  3. 亀裂の密着性、開口幅の程度から岩盤の緩み評価を行う。
  4. ボーリング孔周辺の地質構造を立体的に把握する。
■システム外観
・ボアホールテレビによる調査の流れ

孔内画像はコーンミラーを用いたサンプリング方法を採用しているため、画像の歪みが少なく、より正確な走向・傾斜を求めることができます。

また、ボアホールテレビは下向きの孔だけでなく、横向きや上向きなどあらゆる方向の孔にも適用することが可能です。

・コーンミラーによる撮影
・孔内画像の処理
■解析イメージ
・孔壁展開図

ボアホールテレビにより得られた展開画像から。深度・亀裂などの不連続面の走向・傾斜、開口幅、頻度を求めることができます。

・解析例

また展開画像から求められたデータを解析することにより、シュミットネット・コンターマップ、岩盤ゆるみ状態図、見掛け傾斜図などを作成することができます。

■特 徴
  • ボーリングコアからでは分からない地層の方向性、亀裂幅・亀裂間隔、孔内における湧水の状況等を詳細に把握できます。
  • 地質の不良によりボーリングコアの採取が困難であった区間においても地質状況の確認が可能です。
  • 連続展開画像により、孔壁全体の状況を即座に把握できます。
  • 鉛直方向だけでなく、あらゆる方向の孔に適用可能です。
  • 井戸のメンテナンスやグラウトの充填状況確認、空洞調査などにも応用できます。
■実績紹介
  • 平成18年度 放水路開削部外地質調査業務
  • 平成17年度 林道開設事業(森林基幹道)美保関線 第7工区開設測量設計業務
  • 平成16年度 山陰自動車道知谷トンネル地質調査
  • 平成10年度 江津道路下府川橋 地質調査業務
  • 平成7~9年度 斐伊川放水路開削部 地質調査業務